再犯・余罪が発覚した場合
再犯や余罪が発覚した場合は、刑罰が重くなったり、再逮捕、再勾留されてしまい、身体拘束を受ける期間が長くなる可能性があります。
ただ、弁護士に依頼して適切な弁護活動を行ってもらえば、逮捕、勾留を回避したり、不起訴処分、執行猶予付き判決を得られる可能性もあります。
再犯、余罪とは何か? 再犯や余罪が発覚した場合の対処法などについて解説します。
再犯とは?
再犯とは、再び犯罪を犯すという意味です。再び犯罪を犯した場合は、刑罰が厳しくなったり、執行猶予がつかなかったり、逮捕時に長期間勾留されてしまうことがあります。
刑法上の再犯(累犯)とは?
刑法には、一定の要件に該当する再犯の場合は刑罰が厳しくなる旨が定められています(刑法56条)。
具体的には次のような場合です。
- 過去に拘禁刑に処せられたこと(実刑判決を受けたこと)。
- 拘禁刑の執行が終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に新たな犯罪を行ったこと。
- 新たな犯罪について有期拘禁刑に処する場合であること。
例えば、拘禁刑を受けて服役した人が出所してから5年以内に犯罪を犯し、再び拘禁刑の実刑判決を受けるような場合です。
この場合は、再犯加重と言い、拘禁刑の刑期が2倍になることがあります(刑法57条)。
例えば、窃盗罪は、「10年以下の拘禁刑」が上限になっていますが、再犯加重された場合は、「20年以下の拘禁刑」に処せられる可能性があるということです。
なお、拘禁刑の刑期の上限は30年とされています(刑法14条2項)。
余罪とは?
余罪とは、現在、捜査や起訴の対象となっている犯罪(本罪)とは別の犯罪のことです。
似たような犯罪が相次いでいて、その一つについて、犯人として逮捕された場合は、他の犯罪もやったのではないかと疑われることがあります。
このような場合は、捜査機関は余罪捜査を行うことがあります。
余罪が発覚した場合の事件処理の流れ
余罪が発覚した場合は、本罪とは別に取り調べが行われて、逮捕、勾留、起訴が行われます。
そして、本罪と余罪がセットで起訴された場合は、「併合罪」と言い、刑罰が重くなることがあります。
本罪と余罪のいずれか一つが、死刑、無期拘禁刑の場合は、併合罪の意味はありませんが、有期拘禁刑と罰金の場合は、刑罰が加重されます。
具体的には、次のとおりです。
- 有期拘禁刑の場合は、本罪と余罪のうち、もっとも長期の拘禁刑の期間が1.5倍(刑法47条)。
- 罰金刑の場合は、本罪と余罪の罰金額を合算(刑法48条)。
本罪と余罪がどちらも窃盗罪の場合で考えましょう。
窃盗罪1罪のみの場合は、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です(刑法235条)。
本罪と余罪の窃盗罪がセットで起訴された場合は、「15年以下の拘禁刑」または、「100万円以下の罰金」となる可能性があるということです。
余罪が発覚するケースとは?
逮捕後の刑事手続では本罪とは別の余罪について調べることは原則として、認められていません。
別の余罪を調べることを目的に、本罪で逮捕している場合は、別件逮捕として違法な捜査に当たる可能性があります。
しかし、本罪の捜査の途中で、余罪が発覚するケースも実際にあります。
似たような犯罪が近接して起こっている場合
似たような犯罪が時間的にも場所的にも近接して起こっている場合は、余罪があるのではないかという形で、取り調べが行われることがあります。
例えば、空き巣が頻発していて、侵入の手口が似ている場合は、同一犯人の犯行ではないかと疑われることがあります。
本罪の捜査で押さえた証拠から余罪が発覚する場合
本罪の捜査で押さえた証拠に余罪の証拠が混じっていることがあります。
例えば、窃盗犯で家宅捜索したところ、他にも盗んだ物があることが発覚したケースです。
盗撮犯などでは、パソコンやスマホが押収されて、他のデータからも複数の犯行を重ねていることが発覚することもあります。
共犯者が自白したために発覚する場合
本罪に共犯者がいて、共犯者が取り調べの中で、余罪についても自白した場合です。
取り調べにおいて口裏を合わせることは難しいため、絶対にしゃべらないと約束していても、結局発覚してしまうケースが多いと考えられます。
余罪が発覚した場合の対処方法
逮捕、勾留といった刑事手続きは、同一の犯罪事実については一回しかできないことになっています。
しかし、余罪がある場合は、余罪について調べるために、逮捕、勾留されてしまう可能性があります。
例えば、本罪で在宅事件になっていたとしても、余罪の取り調べのために、逮捕、勾留されてしまうこともあるわけです。
そのため、本罪と同様に、改めての逮捕や勾留を回避するための弁護活動が重要になります。
再犯・余罪が発覚した場合の弁護活動
再犯の場合や余罪が発覚した場合は、拘禁刑の刑期が長くなったり、罰金刑が重くなる可能性があります。
ただ、刑罰が重くなる可能性があるというだけで、事案によっては、刑罰が重くならないこともありますし、不起訴処分や執行猶予付き判決となることもあります。
そのため、再犯・余罪が発覚した場合でも、弁護士に相談して、弁護活動を行ってもらうことが大切です。
特に、余罪については、証拠不十分だと主張できる余地があるため、起訴前の段階で弁護士に積極的に動いてもらうことによって、不起訴処分を得られる可能性もあります。
まとめ
再犯・余罪が発覚した場合は、拘禁刑の刑期が長くなったり、罰金刑が重くなることもあります。
ただ、弁護士が適切な弁護活動を行えば、ことさらに厳しい刑罰は回避できますし、状況次第では、不起訴や執行猶予付き判決を得られることもあります。
再犯・余罪で取調べを受けている場合もあきらめずに、刑事弁護に詳しい弁護士にご相談ください。

