薬物(大麻)の初犯は不起訴になる?押さえておくべきポイントを徹底解説!
警察庁が公表している「令和7年における組織犯罪の情勢」によると、令和7年の薬物事犯の検挙人数は1万4,574人で、前年よりも増加していることが分かりました。このうち、大麻事犯の検挙人数は6,832人で、大幅に増加していることが問題視されています。
また、最近では若者の検挙も目に付くようになりました。そう言う意味では、麻薬や薬物問題は私たちにとって全く無関係というわけではなくなってきているのです。
では、万が一、薬物で検挙された場合はどうなるのでしょうか?今回は、初めて薬物(大麻)で検挙された時に知っておきたい基礎知識を解説します。本記事を読めば、薬物(大麻)の初犯で不起訴になるケースと起訴されるケースが分かるだけでなく、起訴された時の量刑や逮捕されてからの流れ、不起訴を目指すうえで押さえておくべきポイントが分かるので、身近な人が薬物で検挙された場合や、知識として身につけておきたい方、概要を押さえておきたい方は、ぜひご一読ください。
目次
薬物(大麻)事件の初犯で不起訴になるケース
薬物事件で逮捕されると必ず前科がつくと考えている方は多いかもしれません。しかし、薬物事件で逮捕されても初犯の場合は不起訴になる可能性があります。不起訴とは、刑事事件の被疑者を裁判にかけないことを決定する処分で、不起訴処分になると基本的に刑事裁判が行われないため、事件は終了します。そのため、前科がつくことがありません。
ただし、覚醒剤の場合は大麻と比較すると不起訴になる可能性が低くなるので、その点は混同しないようにしてください。
まずは、薬物(大麻)事件の初犯で不起訴になるケースを見ていきましょう。
所持量が微量の場合
薬物(大麻)事件で逮捕されても初犯で、なおかつ所持量が少なかった場合は不起訴になる可能性があります。
この理由は、所持量が少ないと悪質性が低いと判断される可能性が高くなるからです。では、どれくらいの所持量が少ないと判断されるのでしょうか?目安となるのが0.5g~0.7g程度です。これは、1回の使用量より少ないことを意味します。
また、大麻を栽培していた場合は、栽培数が大きなポイントになります。栽培数が数株程度であれば基本的に不起訴の可能性が高くなります。
なお、所持量が少なければ必ず不起訴になるわけではありません。なぜなら、起訴されるか不起訴になるのかは、複合的な要素で判断されるからです。ポイントは、所持量と個人利用であること。なおかつ、初犯で更生の可能性があることが重要になります。これら複数の条件が揃うことで不起訴を目指すことができるのです。
再犯の可能性が低いと判断された場合
更生の可能性が高く、再犯の可能性が低いと判断された場合も不起訴の可能性が高まります。ポイントは再犯しないための具体的な取り組みです。
具体例としては、薬物依存症を治すための治療を行うことや、薬物で繋がっていた人間関係を断ち切ること、家族に同居してもらうといった対応があります。大切なのは、具体的な方法を提示したうえで、自らの意思で更生したいと考えていることを伝えることです。
そのためには、更生に向けて既に動いている事実を示すことが大切になります。ただし、具体的な方法が分からないという方も少なくありません。このような場合でも、弁護士に依頼すれば、具体的な行動についてのアドバイスを受けることができます。早めの行動が結果を左右する側面もあるので、少しでも不安な場合は早めに弁護士に相談するようにしてください。
初犯で不起訴になっても、二度目は起訴される可能性が高くなるので、今後の人生のためにも具体的な対策を講じて薬物と縁を切れる状況を作りましょう。
証拠が不十分な場合
大麻所持・使用が疑われても、証拠が不十分な場合は不起訴になる可能性が高くなります。具体的な事例としては、逮捕された知り合いや売人の供述によって自分が疑われ場合です。
供述により疑われても、家宅捜索で大麻が発見されなければ証拠はありません。また、使用が疑われても尿検査の結果で陰性がでれば証拠不十分として不起訴になる可能性が高くなります。
ポイントは、何が証拠になるのか?ということと、どの事実を否定するのか?という部分です。ただし、これらの判断は専門的な知識がなければ難しいのが現実です。そのため、捜査初期段階から弁護士に依頼しておくことが重要になります。不起訴を目指すには、早い段階で弁護士に相談しておくことが重要になることを覚えておきましょう。
なお、弁護士に依頼すると聞くと費用面を心配される方は少なくありません。しかし、弁護士事務所や法律事務所の中には無料相談を実施しているところも少なくないので、不安な場合は無料相談の活用を検討してください。
薬物(大麻)事件の初犯で起訴されるケース
前章では、薬物(大麻)事件の初犯で不起訴になる可能性が高いケースを解説してきました。では、どのようなケースだと初犯でも起訴される可能性があるのでしょうか?
ここからは、初犯でも起訴される可能性が高くなるケースを見ていきましょう。
営利目的と判断された場合
薬物(大麻)事件において、初犯であることは不起訴を目指すうえで重要なポイントになります。しかし、初犯であっても営利目的と判断されると状況は一変します。なぜなら、営利目的と判断されると、社会的影響の大きさが考慮されるだけでなく、再犯の可能性が高いと考えられる危険性があるからです。
では、営利目的と判断されるポイントはどこにあるのでしょうか?具体的なポイントは下記の通りです。
・一人で使用できないほどの所持量
・小分けするための袋やパケの所持
・売買を連想させるやり取り
上記の状況が判明した場合は営利目的と判断される可能性が高くなるので不起訴を目指すのが難しくなります。
拡散の事実
周囲に薬物(大麻)を勧めていたことが判明すると、拡散の事実があると判断されて起訴される可能性が高まります。本人は軽い気持ちで勧めていたとしても、薬物(大麻)を拡散したという事実は消えません。このようなケースでは起訴される可能性が高まります。
また、薬物を譲渡したのではなく売却していた事実が判明すると、状況次第で営利目的と判断される危険性があるので不起訴を目指すことは非常に難しくなります。
尿検査で陽性が出た場合
以前は、大麻を所持していなければ法律違反にならないとされていました。しかし、令和6年12月12日の法改正により、現在では大麻使用も処罰対象とされています。そのため、尿検査で陽性反応が出た場合は大麻を所持していなくても使用罪で起訴される可能性があるのです。なお、大麻使用罪に該当すると7年以下の懲役が科さる可能性があります。
起訴された場合の量刑
大麻で起訴されると、基本的に有罪になり前科がつきます。もちろん無罪の場合は前科がつくことはありませんが、日本の裁判で無罪になる割合は0.1%程度なので、基本的には起訴された時点で前科がつく可能性が高くなるのです。
では、起訴された場合の量刑はどうなるのでしょうか?もちろん、量刑は状況などにより変わることがあるため、一括りにすることはできません。ただし、量刑の上限は下記のように定められているので、参考として押さえておきましょう。
・営利目的なしの場合
| 使用 | 拘禁刑:最長7年 |
| 所持・譲渡 | 拘禁刑:最長7年 |
| 輸出入・栽培 | 拘禁刑:最長10年 |
上記は「営利目的なし」と判断された場合の量刑です。「営利目的あり」と判断された場合の上限は下記のようになるので、営利目的の有無によって上限が変わることを覚えておきましょう。また、営利目的ありと判断された場合は拘禁刑と共に罰金刑も科されます。
・営利目的ありと判断された場合
| 使用 | 拘禁刑:最長10年 | 罰金刑:最大300万円 |
| 所持・譲渡 | 拘禁刑:最長10年 | 罰金刑:最大300万円 |
| 輸出入・栽培 | 拘禁刑:最長20年 | 罰金刑:最大500万円 |
なお、罰金刑については使用、所持・譲渡、輸出入・栽培、すべてにおいて情状により追加される可能性があります。
薬物(大麻)事件における逮捕から起訴までの流れ
薬物(大麻)事件で不起訴を目指すには、迅速な対応が欠かせません。なぜなら、起訴か不起訴が決まるまでは逮捕から最大で23日しか残されていないからです。そのため、逮捕後の流れを把握したうえでの対応が重要になります。
ここからは、逮捕後の流れを詳しく見ていきましょう。
逮捕
薬物で逮捕されると、警察署の留置施設に身柄を拘束されて、取り調べが行われます。取り調べでは共犯者の有無、入手経路、使用時期や使用場所について追及されることになるのですが、供述内容がその後の裁判に大きな影響を与える可能性があるので、慎重な対応が重要です。1度作成された調書は簡単に覆すことができません。そういう意味でも、取り調べ段階から弁護士のアドバイスを受けることが重要です。
事件送致
薬物(大麻)事件は、逮捕から48時間以内に警察から検察に送致されます。これが事件送致です。なお、検察が事件を微罪と判断した場合は「微罪処分」となり釈放されます。ただし、大麻取締法に違反した場合は基本的に微罪処分になる可能性は低いので、過度な期待はしないようにしてください。
送致されると、検察官が証拠などをもとに勾留の必要性を判断するのですが、証拠隠滅や逃亡の危険性があるため、薬物事件は基本的に勾留請求が行われます。
勾留
被疑者の身柄を拘束する手続きが勾留です。薬物事件は、基本的にほとんどのケースで勾留が認められます。理由は、証拠隠滅や逃亡の危険性を排除するためです。
なお、起訴前の勾留期間は原則として最大で10日間とされているのですが、事情がある場合は10日間の延長が認められています。薬物事件においては合計20日間の勾留が認められることは珍しくありません。
なお、勾留されないケースは釈放となるのですが、その後も捜査は在宅で継続されます。
起訴か不起訴の判断
起訴するかどうかの判断は検察官が行います。不起訴になれば事件は終了して刑事裁判が行われることもないため、前科がつくことはありません。一方で、起訴されると刑事裁判が行われて有罪か無罪かの判決を待つことになります。しかし、日本では起訴された事件の99.9%程度が有罪判決になるので、前科をつけないためには不起訴を狙うことが重要です。
薬物事件でも大麻の場合は、初犯であることや所持量が少なければ不起訴処分になることも珍しくないのですが、不起訴を目指すには専門家の知識が欠かせません。そのため、不起訴を目指すのであれば早めに弁護士に相談することが大切です。
その一方で、覚醒剤は初犯でも起訴率が70%以上とされているので、初犯でも前科がつく可能性が高くなります。このような場合は、実刑を免れるために執行猶予を目指すことになるので、このケースでも弁護士の協力は欠かせません。
不起訴を目指すポイント
前科がつくと、その後の人生に大きな影響を与えます。場合によっては就職が難しくなることも考えられるので、薬物事件において不起訴を狙うことは非常に重要です。ここでポイントになるのが弁護士への依頼です。
不起訴を目指すには、状況に合わせた対応が欠かせません。そして、状況に合わせた対応を実現していくには専門家の知識が必要になります。そのため、早い段階での依頼が重要です。
中には費用面を心配される方もいらっしゃいますが、不起訴を目指すのであれば対応速度が非常に重要です。費用面がどうしても心配な場合は、まずは無料相談を活用して専門家のアドバイスを受けてください。
現在、大麻事件の約56%が不起訴処分になっていると公表されています。半数以上が不起訴になっていると聞くと安心される方もいらっしゃるでしょう。しかし、待っているだけで不起訴になるわけではありません。不起訴を目指すのであれば、不起訴に向けた行動が必要になります。そのためにも専門家の知識は不可欠です。
また、早めに弁護士に依頼することで、取り調べにおける対処方法を知ることができます。供述調書は1度作成されてしまうと、内容を後から覆すことは非常に難しくなるため、捜査段階から適切な対処方法を理解しておくことが重要です。
弁護士に依頼することで、取り調べ段階からアドバイスを受けることができます。これにより、万が一、不当な取り調べが行われても対抗することが可能です。もちろん、不当な捜査が行われた場合は、抗議を申し入れることもできます。
前科をつけないためにも、薬物(大麻)事件で逮捕された場合は、早めの相談を心がけてください。
まとめ
薬物(大麻)事件で逮捕されても、初犯であれば不起訴を目指すことが可能です。不起訴処分になると基本的に刑事裁判が行われることがないので、事件は終了します。そのため、前科がつくことはありません。
しかし、不起訴を目指すにはポイントを押さえたうえでの対応が求められます。ここで重要になるのが専門家のアドバイスです。弁護士などの専門家に依頼すると、不起訴を目指していくための行動を知ることができます。また、状況に応じたアドバイスを受けることができるだけでなく、適切な黙秘権の使い方、納得できない調書が作成された場合の対処法を知ることができるので、不当な取り調べを防ぐことも可能です。
早期解決を目指すには、迅速な行動が重要になります。少しでも不安がある場合は、まずは無料相談の活用を検討してください。

